Life is Magnificent!!

Africaでの華麗なる日常の素晴らしさを皆様へお届けします。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

ザンビアンの技術力から学ぶ

テクノロジーとアフリカ、なんとなくコンビネーションの悪いこの組み合わせ。だがハイテクとはほど遠いワイルドな環境だからこそエンジニアとして生きるとはどういう事なのか考えさせられる事が多々ある。


ザンビアンの技術力に習え!

リビングストンからT1幹線道路を北東へ向かうこと約50マイル、メコリという村がある。電気も水道ももちろんなし、携帯も丘の上以外は圏外になるほどの場所。しかしこんなところにもテレビだけはある。ザンビアンのテレビ好きは本当に異常で、どんなに貧しくともその日に食べるものがなくともテレビだけは絶対に譲れないのである。その為ザンビアンはテレビを見る為ならどんな努力も厭わない。この村でも太陽電池によって発電、充電した車用バッテリーにインバータを接続してテレビを見ることができる。がしかし例えばTVアンテナが腐食により折れてしまったらどうするか?もちろんこんな辺鄙な村に家電製品販売店などは存在しない。でもテレビは見たい。じゃあTVアンテナを作ってしまえという事で鈴を牛の首に縛り付けるときに使う針金と使い古したタイヤチューブのハシ布、そして木の枝でアナログTVアンテナを自作してしまったのがこちら。

クネクネの枝支柱がまたいい味出してる
1_20130423203547.jpg

これでサッカーも見られる、ドラマも見られるというわけである。構造はいわゆる折返しダイポールアンテナで指向性を確保するために通常型ダイポールアンテナに利用されるU字型、V字型ならぬH字型??となっている。エレメントの絶縁にタイヤチューブの切れ端を使っている。通常のTVアンテナ(八木宇田アンテナ)に比べれば構造が簡単である上、アンテナ設計における自由度も向上できる。さらにこの自作アンテナで注目に値するのは2本の内、一方のエレメント(針金)を2重巻きにしてエレメントの太さの比を変えてることでインピーダンス(電圧と電流の比)を整合させていないことである。これにより大部分のシグナルを電力ではなく電圧で伝達受信できるようになり送信側出力だけに頼らずにある程度、受信感度を上げる事に成功している。シグナルを受信しにくい辺鄙な村だからこそTVアンテナに必要な小細工なのだ。普段は非常にローテクに見えるヴィレッジのザンビアンカウボーイ達のアナログTVアンテナ自作における技術力には脱帽である。

赤い線の中心に見えるのが一方のエレメント、緑の丸で囲んである部分などエレメントの太さを変えている
2_20130423203546.jpg

日本で普通の大学を卒業した普通のサラリーマンに、小枝と針金とタイヤチューブのハシ布を渡して、”アナログTVアンテナ自作しろ”と言ったところで何人のサラリーマンが自作できるだろか。教育とは何か?、技術大国で働くとは何か?、日本人として考えさせられる。

アンテナを自作した本人、Mr.チムニヤ。アンテナの出来を褒めた所、5リットルの絞りたての牛乳を頂いた。うまかった~
3_20130423203546.jpg



エンジニアの反面教師として

次に場所は変わりザンビアの経済、技術、教育、政治の中心地、首都ルサカ。アフリカにしては大きな都市で最近の経済発展は目を疑わさせる。先日、出張に行った際ルサカ版タイムズスクエア、カイロ・ロードの銀行店外に設置されたATMを利用したのだがそのATMの画面を良く見ると....

お馴染みスタートボタン
4_20130423203545.jpg

別にATMにWindowsを使うなと言っている訳ではない。日本でもコンビニATMなどにはWindows CE(最近はEmbedded Compactと呼ばれてるのか?)ベースのOSが使われていたりしている。それにWindowsのスタートボタンを批判している訳でもない。確かに何で"スタート"ボタンを押してOSをシャットダウンしないといけないのか、スタートじゃないだろ!と突っ込みたくなるのも解るが、この問題もWindows8になって8デフォルトのGUIでは右端のチャーム(コントロールパネル)の設定タブからシャットダウンできるようになった。

私が問題としているのはATMという金銭を扱う信用が重要な機械にスタートボタンが出てる事自体、セキュリティ的にまずいと言う事だ。隣のATMで設定等をしている銀行技術部門の下請けエンジニアっぽいオッサンに ”あの~、スタートボタン出ちゃってますけど・・・。” と指摘したところ、 ”クリックしたくなっちゃうでしょ。うふふっ” と笑ってごまかされてしまった。そういえば数年前にリビングストンの街頭に設置されたATMの画面があのブルースクリーンになってた事もあったような・・・。

数年前、一部のザンビアの銀行が会社のお客さんだったので支店などのサーバルームで現地のSEと働く機会がよくあった。ちなみにザンビアの銀行のサーバOSはすべてWindows Serverが動いていた記憶しかない。一度だけバックアップ用のNASにLinuxベースのOpenfilerOSがインストールされているのを見た事があるくらいである。もちろん銀行に雇われてるSE達もLinuxに関する知識は皆無でWindows Serverですら取り扱いに困ってる様子であった。時代的にUNIXの知識はさておき、銀行で働くSEくらいせめてLinuxの知識は欲しいところである。そして今回はATMにスタートボタンである。ちなみに当時、銀行で働いていたSE達に共通して見られた特徴が向上心が全くないという点だ。彼らの学歴はそこそこな物で英国に留学した者や、国内有名大学のテクニカル・インステテューションを卒業していたりする者も多かった。しかし銀行というザンビアでは職業的に尊敬されるような組織の一員として働き良い給料が貰える事だけに満足して一切の知識向上、技術力向上を行っていない者がほとんどであった。銀行なのだから全ての点において信頼に値するよう業務を行っていただきたい。

* - * - * - *

"TVアンテナが自作できる辺鄙な村のカウボーイ"、"大都市で金融業に従事するSE"、この二人のザンビアンの技術力を比べると非常に面白い。彼らの大きな違いは向上心があるかないか、または怠慢であるかないか、そして技術力を生活や仕事に活かす動機であろう。TVアンテナを自作する際はほぼ手探りで作り上げていく。"電波の指向性" なんてカウボーイには必要のない知識だ。しかしサッカーをTVで見るというアツい動機を心に小屋の屋根に上ってテストを行ってはエレメントの角度調整をしてテレビがクリアに映るまでそれを続けるというこの粘り強さは全ての技術者が習いたい点だ。そしてATMにスタートボタンが出現してもATM自体はちゃんと機能してるんだから何がイケナイのだ、そんなの私の知ったことではない!というザンビアンエンジニアの'イイ加減さ'は是非、反面教師にしたい。
スポンサーサイト

PageTop

コメント


管理者にだけ表示を許可する
 

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。