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Life is Magnificent!!

Africaでの華麗なる日常の素晴らしさを皆様へお届けします。

ザンビアン デンタル クリニック

私は小さい頃から歯医者に行くのが大好きである。

チェアユニットに座った瞬間のあのワクワク感。なんというか、あのメカニックなイスが非常にSFチックでなんか自分がロボットにでもなった様な気分。コントラハンドピースやエアータービンの先端に取り付けられたダイヤモンドバーが窩洞を掘っていく時に頭蓋骨に伝わるあの微妙な振動と機械音が機械と一体化できた様な心地にしてくれ、まさに極楽浄土5秒前の気持ちにさせてくれる。あとスリーウェイシリンジのミストが口を洗ってくれると時の感覚も好きだしバキュームの先端のバキュームチップに舌ベロを引っ張れるのも好きである。子供ながらに、将来金をためて歯科用チェアユニットを書斎のイスにするのが夢であった。(もちろん今でも喉から手がでるほど欲しい)ちなみに私の好きなチェアユニットはタカラベルモントのCP-ONEっていうヤツ。昔、名古屋のとある歯科が導入してていまでもあの座り心地は忘れられない。ユニットの蓄動音がなんとも美しくセクシーで、人間工学的に私の体型にフィットするユニットだった。

もちろん日本は医療機器が充実しているがアフリカはそういうわけにはいかない。

で先週の事、2年ほど前に鋳造修復法によって窩洞に充填していたインレー(銀パラジウム合金製)が右奥歯から剥がれてしまった。

そこでリビングストンに一軒しかない国立病院のデンタルクリニックにいく事に。
入るとまず、簡単なレジストレーションをする。その後医療用器具が梱包されていたと思われる箱の厚紙裏にボールペンで患者番号を書いた簡単な診察券を発行して(手書き)くれる。

待つこと10ほど。待合室に診療の価格表があった。

価格表は最近、料金改定したらしい。↓
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価格一覧表の内容は以下の通り。

Consultation 簡易診断、相談 7000クワチャ
Registration 診察登録 (診察券発行) 3000クワチャ
Dental extraction 歯の摘出(埋伏していない親知らずの抜歯も含む) 20000クワチャ
Temporal Filling 応急処置的な補綴又は充填修復 20000クワチャ
Glass ionomer グラスイオノマーセメントによる補綴又は充填修復 20000クワチャ
Amalgam Filling アマルガムによる補綴又は充填修復 30000クワチャ
Composite Filling コンポジットレジン充填(コンポジットレジン修復法による) 40000クワチャ
Orthodontic extraction 抜歯による歯列矯正 30000クワチャ
Disimpaction 埋伏智歯抜歯 30000クワチャ
Prophylaxis う蝕予防処置 30000クワチャ
Periodontal Treatment 歯周疾患治療 10000クワチャ
Operculectomy 歯肉弁切除 10000クワチャ
Frenectomy 小帯切除 5000クワチャ
Referred P.O.P 歯列矯正石膏模型造型(P.O.Pはplaster of Parisの略) 10000クワチャ
X Ray レントゲン撮影 10000クワチャ

この価格表、色々と突っ込み所満載で少し不安になる。たとえば最後からの3個目のFrenectomy(小帯切除)が日本円にして100円って。上唇小帯切除術においては比較的、簡便なV型切除術であっても日本だったら100円では絶対にできない。まぁザンビアでは政府によって医療制度が整えられているので医療行為事態は非常に低額で受けられる。おそらく他国からの援助もうまく利用してるからだろう。そんな事を考えているうちにパーティションで仕切られた診察室からNext!と言われる。

診察室にはちゃんとチェアユニットが置いてある。ただ壁の一部が腐ってる・・・。
ドクターがどうしたのか聞くので、日本で充填したインレーが剥がれてしまったと説明すると、すぐにチェアユニットに座るように言われる。口の中を見たドクターが一言、『日本の歯科技術はすげぇ』とか言って一通りの歯を眺めた後、でどこの歯から剥がれたの?って聞かれたので『右の上顎第二大臼歯』(英語でRight Maxillary Second Molarという)と答えるとデンタルミラーで確認してくれた。ドクターは少し考えた後、『Amalgam Filling(マルガムによる補綴又は充填修復)しましょ』といって作業に取り掛かる。この時ドクターがチェアユニットのポジションを変えたのだが、電動チェアーではなく人力でキコキコとハンドルを回してポジションを変更した。まぁ停電も多いしメンテナンスも経済的なので人力のほうが何かと便利なのだろう。残念。

まず消毒から(ワッテも使用してくれた)。粘膜消毒のイソジンの味がしたので結構しっかりした消毒を使っている事に気づく。その後、ちゃんとスリーウェイシリンジを使って乾燥させエアータービンで窩洞を掘ってくれた。そして窩洞内はちゃんと過酸化水素水(オキシドール)で消毒。このオキシドールのピリっとする味わいが私は大好きである。消毒薬品の風味を味わうのも歯医者に行く醍醐味の一つ。そしてすでにキットになっているアマルガム修復材(銀スズアマルガム)を充填してくれた。その後バニッシングをしてくれて、咬合調整をする。咬合紙なんて洒落たものはないので、コントラハンドピースで少しづつ削りながら『噛み合せはどう?』とドクターが聞いてくる。咬合調整終了をもって治療完了。チェアユニットにはスピットンは付いていないのでドクターが庭の蛇口で口がすすげるよって教えてくれる。最後の最後でやっぱアフリカの歯医者だわっと実感する。日本のスピットンは感圧センサーで水が出たりしたなぁと思い出す。でドクターが、今日一日は冷たい物を飲食しないこと、夜まで食事は我慢するように言われる。

↓腐った壁がなんかイイ味を出してる。あと今年のクリニックのToDoリストがなぜか待合室に掲示されていた。
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最後にもしも歯に痛みを覚えたら飲んでねとパナドーをくれた。しかも15粒も。。。
まぁ私としては想像以上にちゃんとしたデンタルクリニックだなと思った。歯科医用医療器具も揃ってるしドクターもイイ人であった。ただ日本の歯科みたいにワクワクしなかったなぁ。歳をとったせいか??

追記:ドクターいわく、日本からの中古の歯科医療機器等をザンビアのデンタルクリニックに寄付できる方を探しているそうです。もし医療関係者の方で、何か情報がありましたらコメントして頂けると大変嬉しく思います。

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